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ロードバイク通勤のRubyプログラマで伊豆ダイバー。の個人的なブログ。

プチブックレビュー:昭和史(半藤一利)

平和ボケした一市民から見ると、なぜ戦争が必要になるのか理解しがたい。戦争を起こす当事者も含めて、皆が平和を望み、本当は戦争なんかしたくないはずだという前提で考えると、戦争ってのはある日突然キレて撃ち合い始めるというものではなく、色んな複雑な背景があり、プロセスがあるのだと思う。「戦争はイケナイことだから」。思想的なものも確かに大切だが、それだけでは決してなくらないってことは、もう良く分かった。政治的な判断に戦争という選択肢があってはいけない。なぜ戦争に至ってしまうのかというメカニズムを研究し、根本的なところで食い止める仕組みがなくては、何度でも繰り返すだけである。

本書は、日露戦争以降、日本が戦争の道を選び、そして滅びるまでのプロセスが、すごい勢いで書かれている。この本に書かれた20年間は、あまりにも濃すぎて、これだけでは全然語りつくせていないという感じがする。しかし、主観的な記述が少ないので、昭和の激動を理解するための教科書的な一冊。これを読んで何を思い、どう考えるかは人それぞれだろう。

現代は、人類を何度でも滅ぼせるだけの核兵器がいつでも発射可能な状態で、現実に存在する時代。将来、第三次世界大戦は起きるかもしれないけど、その先に第四次世界大戦は無いのです。人類が戦争を無くすアイデアを発見するまでの時間は限られているのかもしれない。

…ということをたまには考えてもいいかも、という週末の深夜でした。(酔)

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