BitArts Blog

ロードバイク通勤のRubyプログラマで伊豆ダイバー。の個人的なブログ。

ドリフトダイビング

20041031120840

ダイビングの事故なんてめったにない。ということは残念ですがそうは言えなくて、溺れや潜水障害などによる死亡事故は国内でも年に数件は起きているのですが、今回のバリ島での事故は、海外での漂流事故ということでマスコミに大きく取り上げられました。

第一報からは、ドリフトダイビング中の不測の事態により予定時刻/位置の浮上にならず船長に見つけてもらえなかったのかな。と想像していたのですが、今のところ救出された方の証言によると、水中では特にトラブルなく予定通りの浮上だったということです。船長が言ってる、急に雨が降ってきたから気泡が見えなかったなんてのは普通だと思うし、何時間も通報せず日が暮れるまで単独で捜索していたというのはかなり問題だったとは思いますが、色々な不運が重なれば現実にそういうことが起きるということですね。僕も八丈島のドリフトダイビングで浮上したらボートが遥か遠くにいてドキドキしたのを思い出しました。(船長は「余裕で見えたよ」でしたが)

さて、以下は今回の事故とは直接関係のない話です。

ドリフトダイビングというのは、潮の流れが強い海域で、海流に身を任せ流れなら潜るスタイルのダイビングです。

僕はドリフトダイビングに関してはかなり経験の少ないビギナーなのですが、ドリフトダイビングとでは、難易度的にまったく別物だ。ということは知っておくべきだと思います。ドリフトダイビングは、通常のダイビングのスキルを十分に身につけてから挑戦するべきだと思います。どの程度のスキルかというと少なくともセルフダイビングのレベル。トラブルに自己対処できる、かつバディを確実にフォローできるくらい。要は何かあってもインストラクターに頼らなくていいレベル。一口にドリフトと言っても難易度はポイントによって様々ではありますが、50本とか100本とかの経験、というだけでは不十分かなと思います。もちろん耳抜きが不安とかいう人は論外。

日本のダイビングはインストラクターのガイドについていくスタイルが主流だから、自己管理と言ってもピンと来ないダイバーが多いかもしれません。でも海外では自己管理があたりまえ、という場所も多いです。

潮の流れって本当に怖い。激流ですよ。インストラクターも人間なので、強い流れに逆らって移動することはできません。ゲストが1人だけ流されたらどうしたらいい?ドリフトでは自分でなんとかするのがまず前提です。

一般地上人がダイバーになるには、最初にオープンウォーターの資格を取得しますが、海洋実習でドリフトダイビングをすることはありません。国内ではドリフトダイビングはマイナーですが、海外の南国リゾートではドリフトメインというエリアは結構多いです。「ライセンスを取って海外で潜るぞ!」というノリで、知らずにビギナーがいきなり上級者向けのダイビングエリアへ行っている。というケースは少なくないように思います。

でもドリフトダイビングは楽しいですよ。ダイバーになったのならいずれドリフトにも挑戦してほしい。南国リゾートはダイバー人生の最終目的地くらいの気持ちでスキルアップがんばりたいものです。国内にも素晴らしいダイビングエリアがたくさんあります。ライセンスを取ったショップでおすすめのエリアを聞いて、よく調べて、自分のスキルに見合った場所で潜ろう!

結局何が言いたいかというと、「ダイビングのライセンスを取得すれば、世界中の海を潜れます!」というのは幻想だから、世界を潜れるようにスキルアップ頑張ろうよ。ということです。。。