2000/10/2

photo ここは、免許を取って1ヶ月の超初心ドライバーが、いきなりカーナビを購入して、しかも取り付け費をケチって、車の知識なんかゼロなのに自力で取り付けてしまおう。というコーナーである。はたして初心者にとってカーナビは「道に対する不安が減って良い」のか、いやいや「カーナビに気を取られて危険」なのか??

カーナビとわたくし

もうすぐ26歳になるってのに、いまごろ免許を取ったわたくしです。東京育ちということもあってか、車というものに必要性を感じなかったというか、周りがどうこう言おうがぜーんぜん興味がなかったのだ。しかし「カーナビ」には異常に興味があった。だって誰も知らないはずの自分の居場所がわかっちゃうんですもの、なんてSFちっく。超テクノロジーって感じ。新しい技術大好きな私が惹かれないわけないのです。その上様々な技術を駆使して誤差補正を実現したり、渋滞情報までわかってしまうなんて、そりゃもう、カーナビを体験するためだけにも免許を取る価値はあると言えるでしょう。そうとも、カーナビしたいがために免許を取ったと言っても過言ではないのだだだー。っというのはもちろん過言で、最近ダイビングとか始めて遠出の機会が増え、しかも荷物が重いので、車があると便利だなーと思っただけなんだけどね。でもこれを機にあこがれのカーナビが使えるとあれば付けないわけにはいかない。

愛車はデミよ

で、カーナビする為には車が必要なので、車を買いました。買ったのはマツダ デミオの中古車。いわずとしれた実用志向の街乗りコンパクトワゴン。ちなみに初代初期型である。

いよいよカーナビ選び

まず「最新鋭のDVDナビ」にするか「リーズナブルなCDナビ」にするか。そりゃもう、昔からナビに興味があったんだし、最新鋭でキマリ!。と思ったのですが、やっぱ

  • デミオに高級なナビにゴテゴテとアンテナ等の装備をするのは似合わない
  • ポリゴン3D表示なんて見にくいだけ。知りたいのは景色じゃないぞ、道だよ道
  • 主要な道だけ分かれば十分。シンプルなほうが見やすいよ、きっと

ってことで、リーズナブルな線で行く事にしました。(はいそうですとも、もちろんそんなのタテマエで、実際には車を買ってすっかりお金がなくなってしまっただけの話だヨーん)

で、最初に候補に上がったのは、パナソニックのデルナビKX-GT30Z。インターネット対応だったり、H"を使って電話の相手の位置がわかったりするのが売りらしいが、そんなことよりもTVチューナー、VICS、D-GPSにリモコンもついて10万円程度というのは非常に安い。しかも取り付け方法はインダッシュでもダッシュボードでもアームスタンドでも何でもアリの自由自在。価格面・機能面で見てもライバルなし。もうこれしかないっしょ!

が、ネットで情報を集めていると、デミオに載せるならアゼストの「Sナビ」ってのがいいらしいってな情報をいくつか見つけ、こっちも検討してみました。惹かれたのはデルナビに無かった3D表示。つってもDVDナビのようなポリゴン表示ではなく単にパースを付けて表示するだけなんだけど、先のほうまで把握しやすくて実用的な気がした。しかもインダッシュ。

  • 3D表示が見やすそう
  • デミオに自分で取り付けたレポートがネット上にあった
  • 今年5月の誤差信号解除で、補正システムがなくてもGPSだけで十分な精度が得られるようになった。D-GPSは要らないかも
  • と言ってもビルの谷間やトンネルを考えると、むしろ車速センサー接続は要るかも
  • VICSだって、光/電波ビーコンを載せないと渋滞回避はできないらしいので、とりあえず要らない。オプションで十分。どうせならやる時はフル装備でね
  • 標準でインダッシュ。デルナビもインダッシュ取り付け器具とか付けると結構高くなるしね
  • NVS5655(5.8インチモデル)ならエアコン吹き出し口と干渉が少ない
  • 見た目的にこっちのほうがシンプル
  • テレビは要らんだろう

ってことで、アゼストSナビNVS5655に決定!

当然、クラリオンガールの声で案内してくれるってのも、見逃せないポイントと言えます。

ほんとは溜まっていたヨドバシカメラのポイントを使いたかったんだけど「取り寄せになって、値段は1割引くらい」とか言われたので、それはちょっと高けーな。ってことで、結局インターネットで探して一番安かった楽天市場で80,800円(送料込み)でゲット。

手術のもよう

いよいよ車の知識ゼロのわたくしが取り付けをする時間がやってまいりました。

旧式のデミオには上段と下段に別々に1DINずつ付いていて、もちろんナビは上に付けたいわけだけど、そこにはオーディオが入っているので、まずはそれは下DINに移設する必要がある。

ちなみに僕のデミオに付いているのは標準のカセットレシーバーではなく、ディーラーにだだをこねて付けてもらった社外品(サンヨー製)のCDレシーバーなので、普通とはちょっと手順が異なる。

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まず必要なものはマツダ車用のオーディオ取り付けキット。純正オーディオを取り外した後にナビを付ける時に必要。社外品のオーディオの場合は、下段に移設するときに、結局必要。

それから、上段のオーディオを下段に移設する場合はアンテナ延長コードが必要だ。

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そしてこれがそのサンヨー製のCDレシーバー。こいつを下に移設するのだ。

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取り外しは実に簡単。そのまま引きずり出すだけ。(ねじ止めされている場合もあります)

純正オーディオの場合は、オーディオ取り付けキットに付いている専用工具を使って取り外す。

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取り外したところ。社外品オーディオが付いている場合、このように接続キットのコードが繋がれてる。

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下段には小物入れが付いているので、それを外す。ツメで引っかかっているだけなので、写真のようにマイナスドライバー等を横の隙間に入れて、バキッてな具合にやれば良い。

ただしこの部分の内装はやわらかいプラスチックで非常に傷が付きやすいので、ドライバー等を使う場合は必ずビニールテープ等を巻いてから作業しよう。そうしないと、いとも簡単に傷だらけになる。

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外れたら、取り付けキットの金属フレームを装着する。中のツメを折り込んで固定。

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取付説明書に従って、Sナビ付属のケーブルをオーディオ接続キットのケーブルに繋ぐ。

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それを下段DINへ引きずり出した車側のコネクタと繋ぐ。

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下段DINにアンテナコード(市販の延長ケーブルで延長しないと届かない)、オーディオ接続コネクタを出し、上段DINにSナビ接続コネクタを出す。車速センサー、バックライト、サイドブレーキへ接続する線、それにアース線は運転席側へ引きずり出す。

GPSアンテナは運転席側から上段DINへコードを通しておく。

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この状態で、とりあえず仮設してみる。Sナビに接続コネクタとGPSアンテナを繋ぐ。

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GPSアンテナはこんな感じで設置(中央のちっこいの)。コードは運転席側から這わせた。コードは窓の隙間に押し込めば簡単に隠せる。

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CDを挿入し、キーをACCにして、液晶モニタを開くと、さっそく現在地が表示される!

バッチリ正確に駐車場が表示されてるぅぅぅ!!

てな具合で感動。これで最低限の接続が完了である。

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車速センサーへの接続。GPSの位置情報を補うもので、ビルの谷間やトンネルなどGPSの電波の届かないところでは特に有効。接続するところは超セマイ場所で大変だけど、精度を考えると是非繋いでおきたい。運転席下のヒューズボックスの裏あたりにある。

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次にバックライトへの接続。車速センサーだけでは前に進んでるか後ろに進んでいるかわからないので繋ぐ。と言ってもバックで長距離走ることもないだろうから、特に繋がなくても大きな問題はないかもしれない。

線を車の後ろまで這わせ(内装の隙間に線を隠せる)、接続するのだが、ランプカバーの取り外しが必要。これはネジを外して、力を入れてグリグリ、ボンッ。てな感じで外せる。

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最後にサイドブレーキへの接続。安全のため、サイドブレーキを引かないと一部の操作ができないようになっている。その制御のために接続が必要。代わりにアースに繋いでしまえば、サイドブレーキを引かなくても操作できるようになるらしいが、ここでは一応キチンと接続した。

サイドブレーキのカバーを外すと線が見えるが、とても手が届かないので大元を外す。後部ドリンクホルダーの底板を外すとネジが隠れている。

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こんな感じで、サイドブレーキの線に接続する。接続した線はカバーの内側を通して隠せる。

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オーディオとSナビをきちんと接続して、ケーブルを整理して完成!配線は思ったより綺麗にまとまった。言わなきゃ配線が這っていることに気付かれることもないでしょう。

ここまで決してスムースではなく「どうやって繋いだらいいんだー」とか「どうやって外したらいいんだー」とか「うごかねー」などなど色々ありましたが、作業時間4〜5時間。ってところでした。

みてくれはどうよ?

上の写真みてみてみて。わりと古臭い感じだった初代デミオのセンターパネルが、なんだかメタルちっくでかっこよくなった感じ。今までちょっと浮いていたシルバーのCDレシーバーも、この組み合わせだと、なかなかマッチしています。エアコン吹き出し口や、その他操作系とも干渉しないのはかなりGooood!ハザードのボタンが押しにくいなんてこともありません。

精度はどうよ?

早速ですが、西伊豆の大瀬崎まで往復約300km走ってきました。ちなみにそれまでまだ免許取ってから累計150km程度しか走っておらず、もちろん初遠出。

以下は比較ができないので役に立たないレビュー。

まずは精度について。これはもう、問題ないと言えましょう。と言ってもズレるときはズレます。ただ頻度としてはイラつくほど多くはないし、回復も早いし、少なくともルート走行中に外れてリルートされるようなことは無かったので、実用上問題はありませんでした。また、昔良く言われたように、「交差点の向こう側にいる」ってのも、今のところは経験していません。まったく十分といえます。これが車速センサーを付けなかった場合どうなるのかは、知りません。

速度はどうよ?

速度について。比較の対象がないので良く分かりませんが、気になることはありません。東京、大瀬崎間でも、わりとすぐにルート検索できるし、リルートも結構速いと思います。スクロール速度については「速い」とは言えないのかもしれませんが、こんなもんかな。って程度です。広域になると、ちと遅いかもしれない。

データ量はどうよ?

付属のCD-ROMは全国版。当然ながらDVDナビと比べたらデータ量は全然少ないはず。きっと細かい道なんかは表示されないに違いない。普段は別売りの関東の詳細地図を使い、遠出をする時に全国版かな・・と思っていたのですが、全国版で十分で、思ったより詳細でした。建物の形状などはほとんど入っていないのですが、別にこれで十分って感じ。地域地図を買う気はなくなりました。

地図表示なんかはどうよ?

3Dマップは、やっぱり良い感じ。遠く先まで見えるので、地図の先がすぐに確認できない2D表示より安心。

昼間・夜間で画面の色が変わるのだけど、夜間表示が見にくい。これから設定をいじってみる予定。夜間でも昼間の表示ができるといいんだけど・・・。ちなみに昼間/夜間はライトのON/OFFで判定しているだけです。どうせなら時刻によってリアルタイムに色合いが変わると面白いのに。

高速道路に入ると勝手に「ハイウェイモード」ってのにになるわけですが(設定しないとならなかったかな)、これはいいです。道路上に時々立ってる、あの緑の「○○インターまで○km」の表示が常に表示されている状態のため、非常に安心って感じ。ルート走行中は出口も2km手前から音声で教えてくれるので、慌てる心配もなし。

同じような機能で「シティモード」ってのもあるのだけど、これはいまいち有効性がわからず、使っていない。

あとルート走行中に曲がるべき交差点が近づくと交差点を徐々に拡大していって誘導してくれる機能があるのだけど、勝手に倍率が変わると距離感がつかみにくく感じたので、この機能は使うのをやめた。ビジュアル的には面白いんだけど。

で、どうよ?

クラリオンガール音声については、タメグチだったので使うのをやめてしまい、今は通常のナレーション音声です。次は英語音声を試してみたいと思っています。

なにはともあれ、運転初心者はほとんどの道が「知らない道」であり、狭い道に迷い込んだ時の不安など結構大きいわけですが、カーナビさえあれば勇気がみなぎってきます。道を間違えてもすぐに復帰する道を教えてくれるし、その際、異常に細い道を指示することもないわけで。自分にとってはかなりの安心感を得られている感じ。

本当はガソリンスタンドを探したりするのも便利らしいのだが、今のところ、そんなこと忘れて、つるんで走っていた車に携帯で電話して「近くにガソリンスタンドないー?」なんて聞いてしまったありさまです。今後は活用したいところ。

んー、しかし、ここまで使えるアイテムなら、やっぱVICSも付けてみたくなるなー。(待て次号←あるのか?)