UW IMAPのインストール
バージョン | imap-2002d | |
OS | Red Hat Linux 6.2J | |
公式サイト | http://www.washington.edu/imap/ | |
ダウンロード | ftp://ftp.cac.washington.edu/mail/ |
IMAP4サーバです。qmailのMaildir形式ならCourier-IMAPがいいかもしれませんが、sendmailやPostfixなどのMailbox形式には対応していません。そこでUW IMAPです。UW IMAPはIMAP関連のRFCの著書であるMark Crispin氏が開発しているため、リファレンスインプリメンテーション的な位置づけをももつIMAPサーバです。最近のRed Hat Linuxでは標準となっています。
インストールは通常のTARボールインストール手順が使えず、少々面倒です。ここではソースコードからのインストール方法を解説していますが、RPMが使えるのであれば、RPMインストールのほうが簡単で良いでしょう。
コンパイル
$ tar xvfz imap-2002d.tar.Z $ cd imap-2002d
makeの引数にシステム名を書きます。ここで指定できるシステム名はMakefile中に説明がありますので参照してください。
$ make slx
これでコンパイルまで完了です。ここからは手作業でインストールしなければなりません。
インストール
imapdを適当なディレクトリにコピーします。ipop2d、ipop3dも必要ならコピーします。すでにPOPサーバが導入済みであれば必要ないでしょう。
$ su # cp imapd/imapd /usr/local/sbin/ # cp ipopd/ipop2d /usr/local/sbin/ # cp ipopd/ipop3d /usr/local/sbin/
/etc/inetd.confに次の行を追加します。今回少し古いOSに導入したためinetdですが、最近のOSではxinetdが使われていて、この説明とは手順が異なる場合がありますので注意してください。
pop-2 stream tcp nowait root /usr/sbin/tcpd /usr/local/sbin/ipop2d pop-3 stream tcp nowait root /usr/sbin/tcpd /usr/local/sbin/ipop3d imap stream tcp nowait root /usr/sbin/tcpd /usr/local/sbin/imapd
inetdを再起動します。
# kill -HUP `cat /var/run/inetd.pid`
設定調整
このままですと、ホームディレクトリがそのままメールボックスと解釈されてしまい、いやな感じです。そこで、/etc/c-client.cfというファイルを作ります。内容は以下の通りです。
I accept the risk for IMAP toolkit 4.1. set mail-subdirectory mail
これによって~/mailがメールボックスとなります。1行目の記述は必須です。イヤな感じですが、他に良い回避策が無さそうです。
これでインストール完了なのですが、私の環境ではなぜか認証に失敗してしまいました。そこでCRAM-MD5認証を導入しました。というか、最初からセキュリティ的にそのほうが望ましいのでいいのですが。CRAM-MD5を使うには、/etc/cram-md5.pwdファイルにユーザー名とパスワードをタブで区切って記述しておきます。
user PASSWORD
一般ユーザーがこのファイルを読むことのないように、パーミッション600にセットします。
# chmod 600 /etc/cram-md5.pwd
以上で完了です。
mbx形式にする
(2004/1/9加筆)
メールの数が増えてきたら急にやたら重くなりました。mbox形式が原因でしょう。UW IMAPでは独自のmbx形式というのがあります。これに変えてみます。
まず、/etc/c-client.cfにset new-folder-format mbxと記述します。この設定により、新規に作成するフォルダがmbx形式となります。
I accept the risk for IMAP toolkit 4.1. set mail-subdirectory mail set new-folder-format mbx
これでmbx形式のフォルダを作って、メーラーを使って旧フォルダからメールを移動させれば、サクッと軽くなります。
ところで、従来のmbox形式の場合、procmailを使ってフォルダの自動振り分けをする場合、レシピの設定は、
:0 * ^X-Spam-Flag: Yes mail/spam
のような形でよかったのですが、mbx形式の場合はこれではうまくいきません。そこで、IMAPサーバのソースアーカイブに含まれているdmailというプログラムを使います。
上記手順に従ってIMAPサーバをインストールしていれば、すでソースツリー上にコンパイルされていると思うので、これをインストールします。
# cp dmail/dmail /usr/local/bin/
そして、レシピの設定を次のような形に変更します。
:0 * ^X-Spam-Flag: Yes | /usr/local/bin/dmail +spam