はじめに

SQL のすすめ


 最近は米国などの安価なレンタルサーバーのサービスを、 個人の日本人が利用するケースが急増しています。 これらのサービスは、オリジナルのドメイン名で、 数十メガバイトのディスク空間と、 45Mbps 以上の太いバックボーンを持ったの高速なサーバー上で、 月々数十ドル程度でホームページが運用できるというものです。

 さらに、多くのレンタルサーバー業者では、様々な付加機能を提供しています。 その中でも、よく目にするのが、Mini SQL (以下、mSQL) サーバーです。 mSQL とは、UNIX 用の軽量級のリレーショナルデータベース管理システム (RDBMS) であり、オーストラリアの Hughes Technologies 社の製品です。 DBMS というと、 OracleSybaseInformix などが有名で、 実際、mSQL は、それらの DBMS と比較すると、機能的には劣る部分もあります。 しかし、mSQL の圧倒的に優れたところは、なんと言ってもその価格で、 非営利の利用であれば、なんと無料。 商用利用でも1ライセンスたった225ドルという低価格ぶりなのです。 しかし、安いからと言ってナメてはいけないのです。 DBMS として必要最低限の機能はきちんと持っていて、 通常のデータ管理で困ることはまずありませんし、 逆に、最低限の機能しか持たないので、SQL の学習用としても最適です (学習用に使うのなら無料だし)。 また、Perl から呼び出せるインタフェースもありますし、 さらには HTML にスクリプトを埋め込んで、 簡単に Web と連携させる機能も持っています。 Web の裏で動かす DBMS としても最適なのです。 ついでに、日本語の使用も、一部制限があるものの、ほぼ問題ありません。

 最近、企業などの Web ページでは、 DBMS を連携させた Web コンテンツがはやっています。 Web で DBMS を使うことは、例えばゲストブックのような、 単純な CGI プログラムで作れるようなコンテンツでも、 十分にメリットがあると考えます。 ファイル操作をプログラミングしなくても良いので、 プログラムが非常にシンプルになりますし、 もちろん DBMS なので速度的にも有利だし、データ管理がすっきりします。 検索機能も簡単に付けられます。 集まったデータを再利用するのが容易です。 ですから、本来 CGI を使わなくても構築できるような、 たとえばブックマークのサイトなども、DBMS を使えば、効率よく管理できます。 ちょっと大きなデータは DBMS で管理した方が、何かと有利なのです。 新鮮な情報を Web で発信するためにも不可欠です。

 なんにしても、せっかく便利なものが使えるのなら、 使った方が良いに決まっているのです。 SQL は一般のプログラミング言語のように処理手順 (HOW) を記述するものではありません。 取り出したい目的のデータ (WHAT) を指定するだけの言語なのです。 したがって、プログラミング言語を新しく覚えるような難しさはありません。 (もちろん Perl などの親言語の知識は必要ですが) 簡単に覚えて、手軽に使えます。 これさえ覚えれば、今まで大変だったデータファイルの管理がなくなります。 CGI プログラムをパワーアップしたければ、 この機会に、SQL を勉強してみましょう!


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